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信心深い人は多い

「安全が確認されました」

という報道がされるたびに、何を以って安全としているのかが気になります。「機器の健全性が確認されました」というのであれば、意味は明確です。例えば、地震で停止した女川原子力発電所であれば、地震で止まった後、点検をし、機械が壊れていないことを確認すれば、「機器の健全性は確認」できるでしょう。

では、「安全」はどうやって確認するのでしょうか。

実際に電力会社や役所が「安全を確認」する場合、なんらかの「計量可能な基準」を設けてその基準値を守っていることで「安全を確認」と称しているようです。

ここで、三点問題点を挙げておきます。

第一の問題は計量が不可能な項目が無視される点で、定性的にはあり得ても、定量的に予測できないものは排除されます。例えば、「昭和新山」のごとき現象が敷地に起きれば原子力発電所にとっては由々しき事態ですが、発生頻度を計算することすら出来ない為、この現象は無視されます。

第二の問題は基準が正しいことを誰が保証できるのか、という点になります。

安全性の中でも耐震安全性が問われる機会が多いのはこの点によります。地震学者は原発の耐震基準に使用された地震学の知識が古いと訴えます。政府系の報告書でも「最新の知見に基づいて」といった表現が散見されます。では新しければ大丈夫なのでしょうか。

原子力発電所を建設することが前提であれば、最新の知見を用いれば十分でしょう。しかし原子力発電所の建設の是非を問う場合は、地震学の成熟度が問題になると思います。果たして人類はどれくらい地震のことを知っているのでしょうか。

理学としての評価には成熟度は関係しません。最先端は最先端です。しかし、原子力発電所の安全の証拠として提出されるのであれば、地震の予測がどの程度信頼できるのかが問われなければなりません。

予測は過去の観測を統計的に処理をすることで行われます。大きな地震ほど発生頻度は少なく、当然観測例が少なくなります。原子力発電所の安全に影響を与えるような大きな地震ほど統計誤差が大きくなります。現代的な地震計で観測した大地震の数は、原子力発電所の安全を保証するほどには多くはありません。

第三に、世間的には安全確認に偽装は無いのか、という問いも可能でしょう。私はこちらは信じています。過去に何度も何度も何度も原子力発電所に関する偽装が発覚し、裏切られ続けています。が、それでも信じるので、関係者の皆さん、どうか偽装だけはしないでください。

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