ウランのしげん力
チェルノブイリ20年なので報道も多いのですが、原子力回帰が随分まことしやかに囁かれているようです。
古くから、原子力の必要性として、次のような図が描かれます。
綺麗なので四国電力の図を見てください。
(リンク切れですので、関西電力の図http://www1.kepco.co.jp/bestmix/contents/03.htmlをどうぞ)
一見ウランの資源量が石油より多いように見えますが、このような図を見る場合、現在のシェアを気にしないわけにはいきません。世界のエネルギー生産に占めるウランのシェアは石油の1/8程ですので、ウランの資源量は石油よりも1桁小さいことになります。
と、云っても、ふつうの人は信用しません。資源エネルギー庁の「原子力発電便覧 '99年版」の743ページのコピーをつけておきます。こういうときに原発に反対している団体の資料を使用しても無駄なので資源エネルギー庁の資料は重宝します。
奥から石炭、天然ガス、石油、ウランの資源量を表しています。ウランは資源量が少ないけれど、消費も少ないので、可採年数は石油を超えます。
このような図を見せても、おそらく「原子力の資源が石油よりも少ないなどという事」を信じない人は多いと思います。可採埋蔵量は目安の一つに過ぎませんしね。
ウランの資源量に比べて、原子力に掛けられた期待は大き過ぎるように感じます。プルサーマルとしてMOX燃料を使用しても大勢に影響はありません。
大きすぎる期待に応えるためには本格的な増殖を夢見ることになります。けれども増殖は未だに実現していない技術ですし、どうしようもなく核兵器の問題がつきまとうので、そのような「夢(悪夢かも)のエネルギー」に賭けるのは大ばくちであって、とても乗れるものではない
と、思います。
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