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2008年11月

涙の大演説

「最近、ブログ書いてないじゃない」

と、社長から言われました。なにも書かないでいると健康を害しているかも知れず心配するらしい。で、なにか書こうかと考えていたらリクエストがあったことを思い出しました。

9月の終わりにJCO臨界事故の集会があって、その後に懇親会と称してアルコールをいただいている最中に、「日本で最初に原子力の推進が立ち上がったときに、学術会議で涙の大演説を行なって推進する側を完全に押し返した先生がいる」とお酒の勢いで紹介したのですが、「その先生のお名前は?」と聞かれて、さて名前が出てこない。ダメですね。

「ブログに書いてよ」

と、リクエストをいただいた。なので今回はこの話を。

「さて、どの本に出ていただろう」と考えて、朝永先生の本かと思ってパラパラとめくるけれど出てこない。

結局、見つけたのは伏見康治先生の「原子力と平和」の中でした。

伏見先生と言えば、原子力推進の大家です。

原子力研究の禁止が解かれた際に、早速原子力研究を始めるべきだと学術会議に茅誠二氏と提案をしたときの話。

「若い物理学者の層から猛反対が起こってきた。」「総会での提案はまさに四面楚歌」との記述から、原子力研究に対する当時の雰囲気がしのばれます。

「中でも広島での被爆者の一人である三村剛昂教授の声涙下る大演説がものをいって私たちの提案はつぶれた。」

半世紀前、日本の科学者の間では、原子力の研究に反対する方が大多数でした。その原動力はヒューマニズムであったと思います。その後、推進勢力は徐々に盛り返し、世界の原子力大国となっています。現在、若い物理学者で原子力に反対の人がどれほどいるのでしょうか。

引用元は「伏見康治著作集7 原子力と平和」みすず書房

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