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電気は足りる。と、したうえで、需要はやっぱり抑制した方が良い。

「原発無くても電気は足りる」

と、書くと大抵2種類のクレームが来ます。

一つはもちろん「足りない」と言うクレーム。もう一つは「無駄遣いを奨励する」というもの。

まぁ、おおよそは足りるとしても現場は火の車、万日残業になるのは目に見えているし、古い火力発電所をフルに動かすのは心臓にも悪いので、需要を抑えた方が合理的なのは間違いないですね。

需要を抑えることを奨励すれば2つ目のクレームにも対応できますし。

これは以前から変わらないので、想定した記事を書けばいいんだけど、一つの記事に詰め込むのはなかなか。

で、いまから書きます。(巷間知られていることだと思いますし、あちこちで既に書いたりしていますが。)

需要を抑えると言っても、原発無くて困るのは一日の需要のピーク時ですから、負荷平準化、いわゆるピークシフトというのが有効です。

夏のピークは晴れた日の平日、かつ、お盆を除いた時期に来ます。工場などが稼働して、気温が上がり、エアコンによる消費がピークになるのが条件です。ですから条件をずらしてやります。

例えば、去年の夏に実際に行われたことであれば、工場を日曜日に動かして金曜日を休みにする。放っておくと日曜日の需要は少なくて金曜日の需要が多いので調整をすることでピークを削ります。

一日の中では、夏は昼の2時頃がピークになり、昼休みは需要の谷間になので、昼休みをローテーションで順番にとるようにすれば、東京電力管内だけで原発一基分くらいは減るでしょう。

お盆休みをローテーションすると大変効果的でしょうが、文化的に難しいでしょうから、夏休みを伸ばすことも検討して良いでしょう。

ここで夏休みを増やした分、他の休みが減るなら「平準化」、実質の休みを増やすなら「需要削減」ですね。どちらを選ぶかは価値観次第と言うところです。

個人的には夏休みを増やしたり、昼休みを増やして、多少「のんびり」した方が幸せなんじゃないかと思います。
(夏はバカンスにして、他の季節に余計に働いた方が、資本効率も上がると思うんですが。)


ピーク時に揚水発電の能力を積み増そうとすると、ピーク以外の需要を抑えることにも意味が出てきます。し、設備の中で老朽発電所、効率の悪い発電所とかを出来るだけ使わないで済ますためには、ピーク以外の節電も大事でしょう。

「節電」もいろいろ考えられますが、他所にも沢山書かれているから、良いかなぁ。

一つ挙げとくと、エアコン。

夏のピークの3割くらいがエアコンだそうで、そのエアコン、ガッツリ汚れていると倍くらい電力を食うハズ。今年の夏前に、きっと経産省主導でエアコン掃除が流行ると思います。

エアコンの消費電力は目立つけど、エアコン以外の消費電力も重要で、他の機器の消費電力が増えるという事はその分熱が出るということで、それがエアコンの消費電力に上乗せされるのでエアコンの消費電力を減らそうと思うと、更に総合的な省エネに取り組む必要が出てきます。

(枝野経産相も「原子力発電所の稼働が全くない場合でも電力需要に対応できる可能性はある」という認識ですから、きっと以上のようなことにプラスしていろいろ経産省から「お願い」が出ると思います。
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPTYE81K0VJ20120127

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コメント

記事にある節電は、原発の是非に関わらず、資源のない日本には大変重要な事。世の中が便利になりすぎているので、忘れられがちである。


しかし、更に次の段階の対応も考えておかなければ、節電自体も行き詰まらないか心配である。

節電で需要が押さえられ原発が不要になり、目出度く(?)廃止する事になったとしよう。その場合、廃止された原発の残骸=特に高い放射線を帯びた原子炉部分やその建物の廃材を処分する場所がない。

「原発は“トイレのないマンション”みたいなものだから、廃止すべき」という声をよく聞く。だが、廃止するにしても同じ問題が出てくるのだ。

また、原発立地地域の多くは財政を原発の交付金に頼っており、住民の方々のかなりの世帯が本人や身内が原発関係の仕事で生活をしている。

原発廃止となれば、財政が危機を迎え、人々の暮らしもおぼつかなくなる。それゆえ、あの福島の悲惨な状況にも関わらず、その後に行われた原発立地計画のある某自治体の首長選挙では推進派が勝っている。
“危険なもの”にでもすがらなければならない、深刻な地域経済の問題も絡んでいるのだ。


世論調査等では原発に対して反対または消極的な考えの人が多い割に、今一つ盛り上がりや浸透に欠けるのは、“原発後”の現実的な対応策(案)がないからだと感じる。

IT化の推進等により、国民も多くの情報を得られるようになり、社会・経済に対する考え方も多様化、深化している。PRする側も、しっかりした見通しや根拠のある情報発信が必要であろう。

投稿: 月よりの使者 | 2012年2月12日 (日) 10時42分

月よりの使者さん

コメントありがとうございます。

ここに書いたのは今年の夏に対する処方箋ですね。それも「電気が足りない」と思っている人の価値観に沿ったものばかりのハズなので、抜本的な改革を伴うものではありません。言ってしまうと「カイゼン」です。

他の問題はまた別の機会に。

投稿: はらだ | 2012年2月12日 (日) 18時35分

今日28日のニュースで、脱原発を目指して、電力会社との契約を解除しIPP等から電力を購入するようにした自治体の事を報道していた。

これにより、数%は電気代が節約できるという。
しかし、原油価格の高騰で余剰電力の価格が上昇している事に加え、IPPも急な需要増で供給が追いつかなかったりなど、脱原発にもまだまだ紆余曲折があるようだ。


太陽光等の活用で、一般家庭なら“自前”で電力の多くを賄えるようになりつつある。

問題は、自然エネルギー・再生可能エネルギーでは、産業用電力の大規模な需要になかなか対応しにくい事。
オフィスの電力を太陽光で賄っている会社はたまに聞くが、大きな工場だと殆ど聞かない。

当面、電力の源はガスや石油頼みという事になると思われるが、コスト高や環境問題(温暖化対策)に悩まされそうだ。

投稿: 月よりの使者 | 2012年2月29日 (水) 05時59分

ドイツでは、高い負担額に耐えられずFITが挫折しそうだそうだ。
「原発のコストが安いのはウソ」とする説や研究もあるが、自然エネルギー、再生可能エネルギーのコスト高もまだ克服に至っていない。

エネルギーに絡む経済=カネの話は、考えている以上に重要で深刻だ。

原発廃止するにしても、核燃料や廃棄物の処理に多くの手間とコストがかかるのはご存知のとおり。

ホームセンターや電器店でも、太陽光発電ユニットが色々と売られるようになったが、きちんと(というか1家庭分フルセット)揃えると、百万円単位の費用がかかる。電気代が抑えられるから長期的にはペイするとしても、経済の先行きはわかやないし、その中で百万円単位のお金を投資するのはかなり厳しい。

そして、彼の地の惨劇を目の当たりにしても、なお原発の交付金に活路を見いだそうとする、財政が厳しい地域があるという現実。

だから(少なくとも現存する)原発を早く再稼働しろとか、自然・再生可能エネルギーは役不足だなどというのではない。
原発を廃止するか否かを問わず、しっかりしたエネルギー戦略とともに、経済的な負担をいかに抑えるかという方面の施策も、これまで以上に検討を進めていくべきだと思うのだ。

自宅の近所に原発即全面廃止を叫ぶ某政党の事務所があり、盛んに街頭演説もやっている。
しかし、内容は、原発の危険性と行政の杜撰さを叫んでいるだけ。周囲の反応も極めて冷やかだ。

こちらのブログでも色々貴重な記事を拝見できるが、一歩踏み込んで「こうしたら」という話は少ない。
原発の危険性や課題は大分わかってきたので、更なる歩みを進める時期が来ているのかもしれない。

投稿: 月よりの使者 | 2012年3月 6日 (火) 23時27分

初めてコメントします。製造業に勤務する者です。
もう何十年も前から「夏場のピークシフト」は勤務先で実施しています。お昼休みがズレます。夏場の休暇も長めで、その分、季節のよい春秋の休日が少ないカレンダーを工場では採用しています。原発事故の前から、ずっとずっと、そうだった…
エネルギー資源に恵まれない日本はいつも節電して毎年毎年なんとか夏場を乗りきってきた、停電したら大変だから電力「足りる」ではなく、工夫とがまんで「足らせて」きた、そう理解しています。
去年はそこに「サマータイム」と「更なる節電要請」が加わりました。正直へたばりました。機械を止めるのは大変なので、冷房や照明を止めて人間ががまんするしかないのです。でも「被災地の方々はもっと大変なんだから」「一刻も早い復興のため頑張ってモノ作って経済回してかなきゃ!」という感じでした。別の業界の製造業勤務者からは「土日シフト」で生活がめちゃくちゃになったとの声が。土日勤務やサマータイムになると保育園に子供を預ける事が出来なくなったり難しくなったり、生活が大変だったそうです。
それで何とか「しのいだ」、去年の夏だったと認識しています。
こちらに書かれている事を拝読し

投稿: かぶら | 2012年5月 1日 (火) 23時19分

失礼しました。途中で文章が切れてしまいました。
まぁ、こちらの記事を拝読して正直「どこか遠い国か星の話」に思えてしまったもので。すみません、現実感がありません。「ずいぶんとのんきな事をおっしゃるなぁ」と。
「平日(たとえば金曜)が休日で日曜は出勤」案だと、従業員は子供さんを日曜あずかってくれるところを探さないといけなかったとか、平日休みのはずの日にお客さんから依頼があったら結局出勤で「殆ど毎日出勤」になって疲労こんばいしたとか、去年の夏に苦しい思いをした勤労者の話は耳にされた事は無いのでしょうか?
勿論「電力を大量消費する製造業の諸君は今年の夏も身を削って頑張り給えハッハッハ!」というのも一つの意見だとは思うのですが、共感は得られ難いように思います。
脱原発は正直「痛みを伴う話」でしょう。その痛みをどうやって公平に分かち合うか?その視点が欲しいと自分などは考えてしまいます。
貧しくなるし失業や進学出来なくなるおそれの中、なるべく痛みが偏らない方策が立てられるのか否か不安に思います。以上長々と失礼しました。

投稿: かぶら | 2012年5月 4日 (金) 19時22分

自分は原発の問題は、この世の根源的なものにたどり着くような気がしています。
生活をするのに、贅沢、か、節約か?ありとキリギリス、
なんでも早いがいいのウサギと亀、
いずれにせよ、究極の選択を迫られている。それで、自分は、結局、原発は動かすなの方を選んだ。
そのみかえりは、どれだけ、不便を不満をそれでよしとする、それを味わい、楽しまなきゃならないということだ。
オートマの車を避け、仕事も、マニュアルの軽のワンボックスにした。
なんでも逆に不便なものがいいという考え方でこの先は行こうと思っている。
経済主導で来た影に、失われたものが多くあったことを知るべきだろう。
便利になった、すぐに食べられる冷凍食品のおかげで、母の味は失われ、出汁(ダシ)さえも瓶つめだ。。
エコカーよりも軽のマニュアルの燃費が良かったりするし、エコカー作るのにどれだけの、電気が使われ、鉄鉱石から考えると???
古いものを使うことが悪のようにいわれる。。
新製品が製造されても、利益がもたらせられるのは、一時期で、過当競争が始まると、軒並みに赤字転落。
さらには、今まで使われていたものがごみとなり、ごみを再生するのにも電気が使われる。
相対的には、どれがいいことかわからなくなり、矛盾が生じている。
でも、自分は子供のご飯を稼がねばならない、ことだけは決まっている。で、大事なのは稼ぐ方法である。不便を良しとしながら生きる。未来の子供の子供のためにも大事なのは、100年後からみたとき、100年後の人たちが、彼らの決断のおかげで、われわれが生きているということ、幸せとはこのこといえるような決断を今しなきゃならないということだ。
どうも、ずーと、経済のために、われわれが存在しているみたいな考えだった気がする。これは、もう古い。
人のための経済を考え、これ以上のさらなる産業革命でなく、新しい革命のときが近くまで来ているのだと思う。
前段の君、君が作っているものは、本当に必要なもので、物欲を満たすようなものでないことを望むよ。
極端だが、エアコンなぞ最たるもんだね、中を冷やすために外に熱を追い出す。外が暑いものだから、中まで暑くなる、僕らは、ビニールハウスほどの地球の中で、エアコンを作り金を得て、自分のいる温室の中のダンボールでできた部屋を冷やすために、エアコンを買う。。この繰り返しは、やめなきゃならない。。
アジアの発展途上の国に、エアコンを売りつけ、電気を多く使わせるような、経済主義は、本当の幸せを作っているのだろうか?

投稿: kiyopon | 2012年6月 1日 (金) 23時03分

kiyoponさんへ。呼び掛けられたと感じましたので応答します。
勤務先で作っているモノは「必要なもの」だと個人的には考えています。「震災復興の為には一つでも多く作って届けないと!」という雰囲気でしたし。
但し作っているモノはたった一種類ではありませんし、解釈の問題もあると思います。何をもって「必要なもの」と「物欲を満たすもの」に分けるのか?は、かなり個人的な価値判断に左右されるのではないでしょうか?そもそも1か0かでくっきり分けられるかどうかもわかりません。
たとえば同じエアコンでも、酷暑の頃、病身の弱った方の病室で動くエアコンは生命維持や体調回復のために「必要なモノ」でしょうし、そうでない、ぜいたくの為に動くエアコンもあることでしょう。衣類は?食品は?流通サービスは?…考えるときりがないように思います。
特効薬の無い、簡単な回答など出ない問題に直面していることだけは自分でも感じます。限られた資源の量、短期と中長期の問題の違いなど、これからも考えていくつもりです。

投稿: かぶら | 2012年6月10日 (日) 17時52分

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